13 Sep 2010 Story Oceans & seas

第3回NOWPAP合同油流出対策訓練とサハリンプロジェクト(サハリン大陸棚石油・天然ガス開発事業)フォーラム

NOWPAP加盟国間の海洋汚染対策への協力の強化のため、2010年9月4日に稚内で第3回NOWPAP合同油流出対策訓練が実施されました。海上保安庁とロシア連邦海洋汚染・海難救助調整庁の後援のもと、沖合で大量浮流油を発見したとの想定で日本とロシアの巡視船艇、航空機、油回収船が訓練に参加しました。NOWPAP加盟国の代表者達や数百人の地元市民が見学する中で、日本のヘリコプター2機も参加し、油防除訓練(油分散剤を散布)や人命救助訓練が行われました。 訓練に続いて、サハリン石油・ガスプロジェクトフォーラムが開催され、NOWPAP参加国の海洋汚染対策の担当者、専門家、掘削業、・海運業の代表者らがサハリンプロジェクトの現状と今後の見通し及び事故対策、NOWPAPの枠組みにおける海洋汚染対策、油・HNS(有害・危険物質)流失準備及び対応能力、油・HNS汚染対策と地域の連携、油濁保障の制度、大量流失の際の北海道の取り組みについて情報交換をしました。サハリンプロジェクトでの石油、LNG(液化天然ガス)の本格的な生産・輸出が開始されたことを契機にLNG船の運航が著しく増えており、船舶航行の増加に伴う海上災害や油汚染事故に伴う魚業被害へのリスクも高まっております。そのため油流出は、2004年の油流出緊急時計画を採択したNOWPAP参加国にとって大きな懸案事項です。以来3回の訓練が行われましたが、過去の2回はロシアと中国で実施されています。フォーラムでは、NOWPAP海洋環境緊急準備・対応地域活動センター(MERRAC)による地域の緊急時対応に関連する活動が紹介されました。