イベントレポート : UNEP-IETC30周年記念イベントを開催 グローバルな対話を通じて持続可能な廃棄物管理の重要性を強調
国際連合環境計画 国際環境技術センター(UNEP-IETC)は、2022年10月3日に、UNEP-IETC設立30周年を記念したイベントを開催しました。イベントにおいては、持続可能な廃棄物管理を推進し、試行錯誤を重ね、さらに規模を拡大させていく方策について、多様な専門性を備えたステークホルダーによるディスカッションを実施しました。
UNEP-IETCはUNEP管理理事会の決定に基づき、都市環境と水問題に焦点を当てた環境上適正な技術の移転を促進することを使命として1992年に設立されました。近年、UNEP-IETCはUNEPの中期戦略やプログラムの実行に向け、環境に配慮した固形廃棄物の管理に活動の重点を置いています。
UNEP-IETC30周年記念イベントでは、UNEP-IETCに期待される役割、過去30年間のIETCの成果、次の30年に向けたIETCの将来の展望などをテーマに、さまざまな分野のリーダーが3つのセッションで議論を交わしました。パネルディスカッションには、コミュニティ、市民社会、企業、メディア、政府を代表した登壇者が世界各国から集い、ごみゼロ社会に向けたアクションを提案しました。
インガー・アンダーセンUNEP事務局長は、UNEP-IETCの設立を記念し祝うとともに、IETCの活動に対する日本政府と大阪市から支援にUNEPとして感謝の意を表し、開会挨拶を行いました。また、廃棄物問題については、気候変動の危機、自然と生物多様性の損失の危機、汚染と廃棄物の危機という、3つの地球レベルの危機に影響を与えることを強調しました。
パネルディスカッションにおいては、エジプト前環境大臣 カレド・ファハミ氏、国際廃棄物協議会 科学技術委員会委員長兼ランボル社シニアチーフコンサルタントビョルン・アッペルクイスト氏、株式会社セブン&アイ・ホールディングス執行役員 釣流まゆみ氏、上勝町ゼロ・ウェイストセンター Chief Environmental Officer 大塚桃奈氏、お笑い芸人の古坂大魔王氏が登壇しました。このイベントを通じて、世界中から参加したオンライン・オフラインの参加者に、廃棄物処理に関する視点をさらに拡げ、循環型経済を一人ひとりが責任を持って進めていくことの大切さが伝えられました。
UNEP-IETCは廃棄物に関するグローバルリーダーとして今後も、廃棄物データシステムの構築、影響力の大きいセクターへの関与による循環型の推進、プラスチックにまつわる課題解決への貢献、持続可能な廃棄物管理のためのインフラとデジタル技術への投資促進などの役割を担っていきます。
IETCについて
UNEP国際環境技術センター(International Environmental Technology Centre: IETC)はUNEP管理理事会決定(16/34) に基づく形で1992年に大阪に設立されました。IETCのビジョンは、包括的な廃棄物管理に特に焦点を置きながら、世界各国が環境問題において持続可能な解決策を導入することを目指すものです。
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