調理や生産過程の廃棄、売れ残り、食べ残し、使いきれず悪くなってしまった食べ物
気をむけてみると、毎日の生活の中で多くの食べ物のごみが出ています。国連環境計画(UNEP)の「食品廃棄指標報告書2021」によると、その量は、世界の食料生量の3分の1にあたる、約10億トン。毎年9月29日は「食品ロスと廃棄に関する国際認識デー」です。この日にあたり、私たちの地球に影響を及ぼしている世界的な食品ロスと廃棄の問題について考えてみましょう。
食品廃棄が環境に与える影響
食べ物のごみは他のごみとは違い、多くの水分を含んでいます。そのため、焼却処分される際により多くエネルギーが必要とされます。食品ロスによる温室効果ガス排出量は全体の約8~10%も占めると言われています。これは気候変動を加速させるだけでなく、腐敗臭、害虫の発生、水質の悪化、火災、廃棄物の輸送による大気汚染などをもたらしています。
そんな問題の解決策はとてもシンプルです。
食べものを無駄にせず、捨てないようにすること。
コンポスト(堆肥化)はサステナブルな解決策?!
しかし、野菜の皮や切れ端などどうしても料理をしていて、ごみとなってしまう部分があります。そのようなごみをなるべく環境に優しく捨てる方法として、コンポスト(堆肥化)があります。「コンポスト」とは生ごみや落ち葉などの有機物を土などと混ぜることで、分解させる方法です。入れた生ごみなどが分解した土は、肥料として庭や農園に使うことができます。
コンポストのメリット:
1. 環境への悪影響を減らす: コンポストをすることで、全体のごみの量が減ります。その結果、温室効果ガスの排出を削減し、汚染を防ぎます。また、廃棄場での火災、悪臭、害虫の発生などの問題も減らす評価されています。
2. 土の状態の改善: コンポストでできる堆肥は、化学肥料に代わる自然でサステナブルな肥料として、植物を育てる際の土壌に必要な栄養素を豊富に与えてくれます。
コンポストの種類
1. 家庭や地域社会ベースのコンポスト(分散型堆肥化):
この方法では、家庭や地域ごとに食品廃棄物の処理方法としてコンポストを導入するアプローチです。家庭でも、プラスチックのカゴ、土鍋、段ボール、樽などの容器を使用し、簡単にコンポストをすることが可能です。
2. 集中型堆肥化:
地方自治体が主体となり、コンポスト専用の施設を設置するアプローチです。プラスチックや紙など、ごみを分別し回収しているように、生ごみも別で回収します。集まったごみは自治体の施設にて堆肥化します。
コンポストは土に混ぜることで、食品ごみが栄養豊富な肥料という「資源」に生まれ変わる、持続可能なアプローチです。また、コンポストが世界でより広まることで、2050年までに21億トンの温室効果ガス削減が期待されています。
「食品ロスと廃棄物に関する国際啓発デー」にあたり、日々の生活の中で捨てられてしまう食べ物を意識し、減らすために工夫してみませんか?
コンポストに関する詳しい内容は以下レポート(英語)をご覧ください:
CCET guideline series on intermediate municipal solid waste treatment technologies: Composting
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