10 Oct 2023 Story

E-wasteのサステナブルな未来

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E-wasteという言葉を聞いたことがありますか?

これは、Electric Wasteの略で、電源や電池が使われている製品がごみとなった時にE-wasteと呼ばれます。今、この記事を読んでくださっているみなさんはきっと、パソコン・スマホ・タブレットなどを使っているでしょう。これらのものが廃棄されたときE-wasteとなります。他にも周りを見渡してみてください。オフィスにもキッチンにも寝室にも、現代の私たちの生活には電化製品が溢れています。

 

E-wasteとは?

E-wasteは、世界で最も急速に増加している廃棄物の一つと言われています。2019年には、世界で5,360万トン(mt)の電子廃棄物が排出されました。これは2014年の量に比べると21%増加しています。また、一人当たりの量は7キログラムに相当し、何も対策が取られない場合、2050年までにさらに倍増すると予測されています。全体のE-wasteのうちリサイクルされているのはたった17%です。

World data

環境と健康への影響

ここで、E-wasteが環境と健康に与える影響について掘り下げてみましょう。現代の電子機器は有害物質の使用を減らしています。しかし、多くの発展途上国における、非正規のE-wasteリサイクル・セクターでは、E-wasteからに含まれる金などの金属やその他の資源となる物質を溶解して取り出す際、王水、硝酸、塩酸などの危険な化学物質を使用しています。

残念なことに、これらの危険な化学物質は、不適切に扱われたり、廃棄されたりすることが多く、その結果、環境と健康に重大なリスクをもたらしています。特に非正規なリサイクル活動が盛んな地域では、土壌や水源を含む環境汚染や健康被害のリスクが高まっています。またこれらは、特に女性や子供への影響が特に深刻で、有毒な環境にさらされることでホルモンレベルや免疫機能に影響が出ることが報告されています。

さらに、不適切なE-waste管理による温室効果ガスの排出は、気候変動の一因となっています。例えば、冷蔵庫やエアコン等の不適切な廃棄により、2019年だけで9,800万トン相当のCO2が大気中に放出されたと報告されています。これは、国際エネルギー機関(IEA)によると、その年の世界の温室効果ガス排出量の約0.3%に相当したと報告されています。

 

私たちにできること

地球の未来のためには、持続可能なE-waste管理システムを構築し、回収率とリサイクル率を高める循環型経済(サーキュラーエコノミー)を構築することが必要です。

消費者としては、修理やリサイクルによって、できるだけ長く電子機器を使うようすることができます。生産者は、E-wasteの影響を考慮し、製品が長持ちし、修理やリサイクルがしやすいように設計することが推奨されています。また、生産者が廃棄された電子機器を回収し、その材料を再利用する取組も多く行われています。政府は、このようなE-wasteを削減する取組を支援し、環境汚染や、非正規労働者を有害廃棄物のリスクをなくす取組が必要です。

 

Action ideas

 

UNEP-IETCの活動

UNEP-IETCは、環境に配慮した廃棄物管理を広める上で、E-waste関連の活動も行っています。その中でも、電動自動車(EV)のバッテリーや使用済みのソーラパネルなど特定のE-wasteに関するプロジェクトや、ジェンダー視点からE-wasteの問題を分析したファクトシートの作成などしています。

publications

詳しくは以下リンクをご覧ください。

https://www.unep.org/ietc/what-we-do/e-waste-management